もしドリ 8話 任せたら皆んなで考え走り出す


遠い物件、古い物件、レインズの図面無し物件

翌日、葉子は社長の黄田川に会議の内容を報告していた。

「遠い物件、古い物件、レインズの図面無し物件かあ。随分思い切って絞ったなあ」と黄田川は葉子に言った。


今の黄田川不動産は
・賃貸営業の賃貸営業の青山航平。
・在宅ワークのパートから社員になった緑川葉子。
・昨年入社した営業事務と管理物件の事務の白井沙耶華。
の3人だ。

黄田川は今回の自社ホームページの運営は「徹底的に任せる」ことにした。

自分が口を開けば上手くいかない時に社長のせいだと言い訳するだろう

それなら、最後まで任せてやらせて責任だけは自分が取ろうと決めていた。

順序立てて議論をして皆んなで決めた結論は正しいと思うようになっていた。


ギリギリ限界経営からの脱出

黄田川不動産はギリギリの限界経営をしていた。

売買は社長自身は以前からの関係で年に数本の売買実績がある。

しかしそれも最近は取引先の世代交代などで年々減ってきた。


賃貸は
・管理物件52戸の募集。
・集金家賃5%の管理料。
・2年毎に発生る更新手数料。
・入居者退出時の原状回復工事があるが厳しい状況だ。
・年に数本の他社管理物件の仲介。

どうしても自社ホームページで仲介手数料が欲しい。

さらに近ごろ他社から抜かれている管理物件も増やしたいと思っている。


葉子は説明を続けた。
「青山さんの自宅は駅から離れたその辺らしいのです。
農家や畑が多く家族がノンビリ過ごすには最適だそうです。
ただ、あの辺りは古いアパートが多く最近は空室が増えて大家さんも困っているそうです。
3年前ショッピングモールや大きな病院ができて公園もありバス便も本数は多くないけど。
やる価値はありそうです」。


さらに
「私も青山さんや白井さんもこの町の出身なんです。

私たちはこの町が好きです。

もちろん社長もそうですよね」と葉子は言った。


黄田川はシャッター通りになった駅前の賃貸物件で消耗戦をするくらいなら彼らの提案はやってみる価値があると感じていた。


不動産会社はどんな客でも決めて金になれば良いというモノじゃない。

不動産会社にはその地域や街を発展させるという役目がある。

街を良くするかしないかは不動産会社次第だと言うのが黄田川の持論だ。

「だから失敗を恐れずに思い切ってやって欲しい」と黄田川は笑顔で言った。


任せたら皆んなで考え走り出す

そんな黄田川の言葉に葉子は何とかして自社サイトを成功させたい。

どうしたらホームページを開設して最短距離で成功できるかを考えた。


成功している会社のやり方を知りたいと思った。

どこの会社がホームページで成功しているかを知りたかった。

そしてひらめいた。

成功している会社を探し出して実際に訪問して聞いてみることを。


そして全員を前に
「これから全員で手分けをして不動産会社を直接訪問してみない?。
ホームページで頑張ってそうな会社を訪問して聞いてみるのはどうかしら?。
私、やるからには失敗したくないの。絶対に成功したいの。
どんなシステムを使ってどうやって運営しているか?。
知りたいわ。期限は3週間」と葉子は強い口調で言った。

「僕たちが不動産会社を訪問するってことですか?」青山は聞き返した。

「そう言う機会がないから行ってみたいです」と沙耶華も積極的だった。

つまり葉子の提案はこういうことだ。
・1週間かけて不動産会社のホームページを調査する。
・サイト、ブログを読み更新頻度が高い不動産会社へ面会を求める。
2週間で不動産会社を直接訪問して運営方法を聞き質問をする。
 (利用するシステムの長所短所、使い勝手操作性、サポート内容)
・1週間で訪問先の運営方法をまとめる。
・黄田川不動産の運営方法をマニュアル化して全員で共有する。
・黄田川不動産に合うシステムを決定して開設の準備をする。

「社長、やらせてください。成功するために」と葉子は言った。

いいだろうと黄田川はOKした。

全員の目がギラギラと輝き活気を感じる黄田川であった。

任せたら
みんなで考え
走り出す。
今の黄田川不動産だ。

小さな不動産屋さん応援隊 隊長の中野参上

不動産会社を訪問することはとてもイイことです。

私自身、月に約100社の小さな不動産会社を訪問します。

近隣の不動産会社を訪問することは難しいかも知れませんが
チョッと離れた不動産会社を訪問することはできると思います。

営業ではないが不動産会社の名刺を持って訪問しても当然、門前払いもあります。

でも意外に好意的に会ってくれます。

協会やFCの仲間同士では語れない本音を聞くことができます。

貴重な意見を聞くことができます。

黄田川不動産のこれからがますます楽しみになってきましたね。

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