もしドリ 16話 近隣同業者と競争するか。しないか?

住宅地図活用サンプルーこんな感じで作ります

皆んなが責任と自覚を持って運営するために

水曜日の朝。ほとんどの不動産会社が休みである。

黄田川不動産は休日返上で全員が出社していた。

テーブルの上にコピーして糊付けされた数枚の住宅地図が置かれていた。

黄田川不動産の会社を中心に青と赤のペンで円が描かれていた。

青い円は半径300m、赤い円は半径500mだ。


「これから黄田川不動産のホームページ運営コンセプトを決めましょう。主役は皆さんです。これからはどんな時でも皆さんで考えて決定して行動します。全員が納得して責任と自覚を持って運営していくためです」とドリームワンの中野が黄田川不動産の全員に言った。


1)過去3年間の取引台帳に記載された物件を住宅地図上に鉛筆で円を描いた。
2)次にファミリー物件をピンク、シングル物件を青、店舗事務所を黄のマーカーで色付けをした。
3)マーカーの上に築10年未満を1、20年未満を2、30年以上を3と黒ペンで書いた。

取引台帳が日頃から記載されていればこの作業は過去3年以内なら1〜2時間で終わる。
この作業は黄田川不動産の過去3年間の成約物件を可視化することが目的だ。
さらにこれを串刺し表集計してグラフ化する。

自社の営業内容が立体化され一目で分かった瞬間です。
分かっていたようで分からなかった黄田川不動産の実態です。

昼食は黄田川社長と社員と一緒にコンビニの弁当を食べながらホームページの対策を練った。

「過去の成約は地域がバラついていると思っていたけど、こうして地図で確認する意外にまとまっているものなんですね」と社長の黄田川が口火を切った。

「この地域は学生が多いからシングル物件ばかりだと思っていたけどファミリーも4割近く決まっている」と緑川葉子が続いた。

「駅周辺の物件が人気かと思ったけど駅から離れていても決まっているのが分かった」と青山航平は意見を述べた。

「築年数は20〜30年以上でも決まっていることが分かった」と白井沙耶華も言った。

中野は
「これからが肝心ですよ。このデータを活用して近隣他社と戦うか?。戦わずに独自性を貫くか?。決めるのは皆さんです」と皆んなに言った。

黄田川不動産の選択肢は次の3つです。
1)近隣同業者と同じことをやる。
2)近隣同業者と似たようなことをやる。
3)近隣同業者と違うことをやる。

競争するか、競争しないか

・決まりが良い人気物件を取り扱う。
・ポータルサイトに重複物件を掲載する。
これらは当然、競争の世界に飛び込むことになる。
競争をしないならこの2つは捨てるかどうかも決めるのです。

不動産会社訪問や勉強会で経験したことは。
『成功会社はどこも独自の手法を貫いていた』ことだった。

どの会社も写真や紹介文、物件確認はしっかりやっていた。
何より数より質で戦っていた。
数で戦うことは競争することかも知れないと皆んなが思い始めた。

昼食が終わって
「さあ、黄田川不動産のコンセプトはどうしますか?」と中野がみんなに聞いた。


みんなが沈黙するかと思っていたその矢先、青山航平が立ち上がって
「前にみんなで話し合った
・遠い物件、
・古い物件、
・レインズの図面無し物件がイイと思いますが・・」とハッキリした声で言った。

葉子と沙耶華もうなずいた。

社長の黄田川も「中野さん。その方向で行くということでいかがでしょうか?」。

「先日の勉強会の時、みなさんからホームページの運営方法についてお聞きしました。『然るべき手順を踏んで議論して決めた結論は正しい』と言うのが私のモットーです。とてもイイと思います」とみんなの意見を後押しした。

「それではこれでいきましょう」と黄田川社長は GOを出した。

成功会社の大半は最初は失敗している

「私はこれまでたくさんの不動産会社様と接してきました。今、成功会社していると言われている会社はどこも最初から順調だった訳ではないのです。上手くいかなかったからこそ試行錯誤を繰り返し独自の手法を見つけて今に至っています。インターネット後発の黄田川不動産もこれからいろんな困難が待ち受けていることは間違いありません。逃げずに全員で一つ一つ解決して行くことです。ゴールはズーッと先にありますから」と中野が言った。

「ところでホームページシステムはどうしましょうか?」と葉子が黄田川社長に聞いた。

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